2008年07月27日

ダウンバースト

関東北部では夏特有の夕立が続く日々だ。 昨年、白河に W53CA を求めに行った時の雷雨も其れは物凄い物だった。 在来線が運転を見合わせる中、新幹線は落雷豪雨を物ともせず、1分の遅れも出さずに粛々と走るのに感心したものだ。 あの時の豪雨も凄まじかったが、2,3日前に館林市で1時間に83.5ミリと云う猛烈な雨を記録した際に、「気流」に語呂を合わせた訳では無いのだろうが、近くの桐生市で風害が発生した。 恐らくは竜巻かと思って居たが、竜巻とダウンバーストの複合災害との報道を耳にした。
前者は実際に経験した事が無い人にも、其れがどのような物なのかが良く知られて居る。 一方、ダウンバーストに就いてはどうだろうか? 小生がこの言葉を覚えたのは、夏至の日のストックホルムで小さなこの現象に遭遇した時だ。 極小規模では有ったが、天から爆風が押し寄せて来て、身体が石壁に押し付けられ、小石が礫のように飛んで来て、目を開けて居る事は疎か、息も出来ない程だった。 壁が無ければ何メートルも吹き飛ばされたろう。 実際に何人もの人が転がった。 ホテルに戻った後に地元のTVニュースで「ダウンバースト」と云う単語を聞き取った。
ダウンバーストは、発生した水平方向の長さが4Kmより大きい場合を「マクロバースト」、其れ以下の物を「マイクロバースト」と分けて呼ぶ。 (ドップラーレーダーの観測結果をベースにした気象学的詳細分類も有る) 何れにせよ、ダウンバーストとは積乱雲や積雲等から冷えて重たく為った空気が降って来る非常に強い下降気流の事で有り、其の風速は90m/sに達するケースも有り、航空機の大敵として名前が挙がる事が多い。 ダウンバーストは地面にぶつかると激しく発散するが、小生を壁に押し付けたのはこの発散する風だったようだ。
ダウンバーストの起こるメカニズムは、重力と気化熱が主役。 竜巻の発生原因の時に良く説明されるように、積乱雲の中では、沢山の水滴が落下して行く。 其の水滴の自重や摩擦により雲中の空気も一緒に落下をして行く。 雲の中の湿度は実は一定では無く、乾いた空気の層が存在して居り、水滴が其処を通過する際には、急激な蒸発が起きる。 其の際に奪われる気化熱に因って水滴の温度が下がるので、水滴本体と周囲の空気の密度が増す事に為り、降下速度が速く為る。 若し水滴では無く、雹や霰だった場合には昇華熱が奪われる事に為るので、降下速度は更に勢いを増す。 フォトはダウンバーストを可視的に捕らえた貴重で有名な1枚。 凄さが良く伝わって来る。
ダウンバーストが海上で発生した場合には「白い嵐」(White Squall)と呼ばれ、通常のレーダーでは発見し難い局地的なストームとして恐れられて居り、実話を基にしたリドリー・スコット監督の同名の映画は、96年の製作。(泣けました…)
Baku


posted by claris1 at 09:38| 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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