2009年02月17日

「くるみ」は何処へ?

毎日同じ道を行けば、御馴染みさんも増える。 特に小生は、人でも物でも御馴染さんを作るのが好きなので有る。
「くるみ」は、最寄駅の寂れた方の改札口近くの中華料理屋さんのワンコ。 如何にもローカルな風情が漂う中華料理屋さんで、ショーウィンドウに飾られたサンプルを見ても、喰欲が湧くとは云い難い。 其れでも、オムライス等を頂いて見たく為る様な匂いを漂わせて居た。 一度だけ「今夜は此処」と、決めて帰って来た事が有ったのだが、生憎の定休日。 そう、毎日前を通るのに、定休日の情報さえ収集して居なかった。 何だか出鼻を挫かれた気分で、結局、この御店のテーブルに着く事は無かった。
この住宅兼店舗の駐車場の脇に「くるみ」の犬小屋は有った。 表札は、「3年2組くるみ」。 可愛らしい名前にそぐわない強面の雄。 チビだが、オッサン顔の雑種だ。 何とは無しに何時しか、くるみに声を掛ける様に為った。 最初は怪訝な顔で一声吠えたものだが、流石に毎日と為るとくるみも慣れて来る。 だが、馴れては呉れない。 「気には為るのだが、無視しよう」と、くるみは頑張る。 「知らない振り」を一生懸命に装うのだ。 其れが亦、面白くて、もう吠えられないと判ると、更に執拗く声を掛ける。 そんな小生の扱いに苦労して居るくるみが可愛い。
或る週末、御主人(中華料理屋の御主人でも有る)が、くるみを散歩して居るのに出会した。 くるみは小生を認めると、寄って来たい様な、避けたい様な微妙な態度を示したので、御主人と小生は会釈を交わした。 其れ以来、御主人が駐車場の隅でくるみと遊んで居ると言葉を交わす様に為った。 嵐の日には家に入れて貰える様で、鎖だけが残って居ると、嬉しそうに玄関に収まるくるみを想像した。 寒い朝には、ダンボールで犬小屋の入口が塞がれて居るのを目にするが、良く嫌がらずに「閉じ込められて居る」ものだと感心。 麗らかな春の日には、地面と一体化して溶けて居るくるみの鼻先で雀が遊ぶ。 そんな暢気なワンコだった。
先日、店のシャッターの小さな張紙で、閉店を知った。 其の時、くるみは小屋の奥に縮こまって、小生を目だけで追って居た。 翌日の夕方、既にくるみの小屋は撤去され、3日後には住宅兼店舗は解体されてしまった。
くるみは何処に引越したのかな… 毎日の楽しみが、亦、ひとつ無く為ってしまった。 1枚でもくるみのフォトを撮っておけば良かったと悔やまれる。 で、今は亡きクラリス…
Baku


posted by claris1 at 00:43| 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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