2009年09月27日

大和小灰蝶と酢漿草

土曜日の昼過ぎ、久し振りに西尾中華そばから上中里駅に向かうのは、旧古河庭園の北の外れの道。 土塁に咲く野草を眺め乍行く好きな散歩道だ。 もう聞けない筈の寒蝉の声に耳を傾けて、土塁の草にレンズを向ける。
7月に眺めた赤地利蕎麦 (しゃくちりそば)が花を終わらせ様として居る。 其の行く季節を惜しむ様に吸蜜して居るのが、大和小灰蝶(ヤマトシジミ)。 この蝶は都会で尤もポピュラーな蝶のひとつで、神田界隈でさえ見掛ける。 幼虫が酢漿草(カタバミ)を喰べるのが、其の理由だ。 酢漿草の葉に白い卵が有れば、大抵はこの蝶のものだ。 近くに酢漿草の花も咲いて居る(フォト下)のに、コイツは赤地利蕎麦の花に御執心。 内側の翅の色が灰青色なので、恐らくは雄だろう。 土塁の入口で出会って、小生が出口付近に至る迄の30分程、不思議に小生の前に為ったり、後ろに為ったりとフォトテイクに付き合って呉れた。 但し、赤地利蕎麦の花以外では、大人しくフレームに収まっては呉れなかったのだが。
説明する迄も無いが、小灰蝶の仲間は翅を閉じて居る時の様子が蜆貝の内側に似て居るので、この名が有る。 勿論、「蜆蝶」とも書く。 この小灰蝶は日本(ヤマト)に広く分布して居るので、こう命名された。 因みに蜆貝にも「大和蜆」が有る。 余り細かい事を記すのは、専門のホームページに任せるが、この人懐っこい雄は、本土亜種の高温期タイプだ。 小灰蝶の仲間は非常に種類が多く、蝶の全種類の40%を占めるそうだ。(種類の40%なので、世界の蝶の40%が小灰蝶の仲間と云う訳では無い)

ふりまきし 薄むらさきや 蜆蝶           露草104

大和小灰蝶の親とも云うべき、カタバミを「酢漿草」と書く事を知る人は少ない。 「サクショウソウ」は虫刺されの薬草で、葉や茎に蓚酸(しゅうさん)を含むので、齧って見ると酸味が有る事から、この字を当てて居るそうだ。 酸い物草(すいものぐさ)とも呼ばれて居るが、老人に依れば、金属の曇りを除去するのに此れで擦ったと云う。 子供の頃、種鞘を触ると弾けるのが面白くて、良く遊んだ。 尚、夜に為ると葉を畳み込むので、其の様子から「雀の袴」の別名が有る。 亦、葉の一部が喰い千切られた様に見える処から、「傍食」/「片喰」とも書く。 家紋の種類も多く、一寸調べただけでも百は有りそうだ。

かたばみの 花より淋し 住みわかれ         三橋鷹女
花言葉は「輝く心」。

このフォトの酢漿草は葉が赤紫色をして居るので、更に都市部の環境に強い変種、「赤酢漿草(アカカタバミ)」だろう。 一方、紫酢漿と呼ばれるオキザリスは、紫色の花が可愛い、娘の好きな花だ。 因みにカタバミ属の英名は「Oxalis」で有る。

Baku


posted by claris1 at 18:04| 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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