2009年09月30日

爪楊枝

この日初めて伺った新しいラーメン屋さん、「七琉門」のカウンターの容器は中々御洒落だ。 黒胡椒のミル、七味と御揃の爪楊枝ケース。 だが、爪楊枝の品質は悪い。 小生も歯間の隙間が広がり、喰後にいずい思いをする事が多く為った。 近所の歯医者さんに御願いして、虫歯治療の際に隙間を狭める様な仕上げを御願いして居ても、だ。 子供の頃に年寄が汚らしく爪楊枝を使うのが、嫌だったのをとても良く覚えて居るので、喰卓ではクチャクチャ喰う事と爪楊枝の使い方には、気を遣って居る心算だ。
爪楊枝ひとつ取っても、御店主のポリシーを伺い知る事が出来る。 大抵の爪楊枝は安物で先がバラけて仕舞い、何本も消費して仕舞う。 品質も然る事乍、何処にどう置くか…も興味深い。 多くの御店はカウンターに調味料と一緒に置いて居る。 この日の店の様に、容器に拘る店も有るし、主に高級店だが、脆弱な白樺製を避けて、クオリティの高いものを用意して居る処も有る。 小生が知る限り、一番クオリティの高い爪楊枝は、善行の御鮨屋さんのカウンターに有るものだ。 「黒文字」程の品質。 黒文字とは、和菓子を喰べる時に使う、ナイフ代わりにも為る大型の樹皮付楊枝の事だが、「クロモジ」の樹を使うので、こう呼ばれる。
凪の渋谷店のテーブルに爪楊枝は置いてない。 頼めばレジの脇に用意して有る物を出して呉れる。 どんなに気を遣って呉れても、他人が爪楊枝を操る姿は見たく無いものだ。 だから、見える処に爪楊枝を置いて居ない御店では、小生は其れをリクエストしない。
渦もカウンターには、爪楊枝を置いて居ないのだが、トイレに用意して有る。 人の目に付かない処で使って下さい、と云うポリシーが伝わって来る、成程。 でも、トイレの清潔さに自信が無ければ、出来ない工夫だ。
折角なので、少し爪楊枝の蘊蓄を。 
爪楊枝は小楊枝(こようじ)とも呼ばれるが、元々「楊枝」とは仏像の歯の汚れを取り、清潔にする為の仏具で、先を叩き広げて房(ふさ)状にしたので、「総楊枝・房楊枝(ふさようじ)」と呼ばれて居た。 楊枝は材料にした楊柳の木の枝を意味する。 ヤナギ科の植物には、鎮痛解熱薬の「アスピリン」が含まれて居るので、この時代の爪楊枝を噛むことで虫歯の痛み止めに為ったと云われて居る。 前述した様に、現在の爪楊枝は白樺やクロモジで造られるので、この効果は期待出来ない。 最近は余り見ないが、先端にミントの味を付けた爪楊枝も有ったが、この名残…では無いだろうな。
一方、爪楊枝の「爪」は「爪先の代わりに使うと云う意味で付けて居る。 余談だが、「『爪』は『爪先』、着物の『褄』や動詞の『つまむ』などと同源で『物の先端』が原義である」、と物の本に書いて有った。
割箸程では無いにせよ、爪楊枝も資源の無駄使いだ、と云う声も有ると聞き及ぶ。 韓国では、使い捨て製品の使用が法律で使用が禁止されて居るので、爪楊枝も玉蜀黍の澱粉を固めて造る。 残飯と一緒に捨てられるし、喰べても大丈夫とか、うーん、ぞっとしないね。
爪楊枝の尖がって居ない端に切れ込みが入って居る事が多い。 弱い木を使うので、此処が折れて不愉快に為る。 何でこんな飾りが付いて居るのかと思ったら、爪楊枝を造る機械の精度を誇る為にこけしを模した装飾を施したとの事。 そんな事は丈夫な木で造る時だけにして欲しいものだ。 一方、別な説として、製造過程で焦げて黒く為るのをこけしに似せて誤魔化す、と云うのも有った。
態とこの部分を折って、箸置にする方もいらっしゃるが、スマートな所作には見えない。 最初にこのアイデアを出したのは、落語家の柳家金語楼さんだそうだ。 実用新案で儲けたとの話も伝わって居るが、プライベートでは決して笑わなかった?と云われた彼の顔と禿頭を想い出すなぁ。
Baku


posted by claris1 at 01:07| 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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