2008年08月01日

今日のワイン 其の211

サン・ピエール 1982
Ch. Saint-Pierre 1982
氏が徐に保冷バッグから取り出した2本目は、吃驚、唖然の1982年のボルドー。 云う迄も無く、1982年はボルドーのグレイトヴィンテージ。 この日のパートナー氏はサン・ピエールを愛し、リファレンスとされて居る。 サン・ピエールを知り尽くした彼の取って置きのボトル。 最早、日本では入手困難とか… 然も有りなん。 彼が手配したルートのヒントはエチケットに潜む。  こんなボトルが良く手に入ったと云うか… 小生なんかと飲んで良いのだろうか? 少し早目に抜栓して置いたのだが、コルクが非常に確りして居る。 此れはイケますよぉ…
こんなに濃い色だったっけ? と思う位に紫掛かったルビーカラーが明るくは無い照明に霞む。 エッジがやや褐色に染まるが、退色の様子は伺えない。 果実香をたっぷり含んで居るのは当然にしても、何処かにモカの香りが感じられ、一寸だけスパイシーなブーケのバランスの良さに驚かされる。 元々、味わいの深さを楽しむボトルなのだが、此れはエレガントにしてパワフル。 おぉ、力強い! と云うのが初口の印象。 26年の時を経て、この強さって、一体… 近年のボトルに比べるとボディは少し軽目にも拘わらず、「広がり感」が凄い。 一方で、タンニンは意外に大人しい。 此れで完熟のハーモニーがパーフェクトに保たれる。 矢張、82年は伊達じゃない。 ヴィンテージとは、こう云うものかと改めて教えられた次第。
このボトルは友人の熱意、想いと共に大西洋、そして太平洋をも超えて、この夜、鎌倉で長い眠りから目醒めた。 其の時間のスパンには、同い年の娘の半生が重なる。 沢山の緊張と少しの優越、時間への陶酔。 他のアルコールには無い楽しみが揺れるテーブルで、ワイングラスを合わせる幸運を噛締めた。
Baku


posted by claris1 at 00:36| 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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